Pi Networkとは?怪しい?πの買い方と上場価格について-利用感想

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Pi Networkとは?怪しい?πの買い方と上場価格について-利用感想

今回はスマホアプリ「Pi Network / パイネットワーク」についての解説記事です。

この記事はPi Networkのインストールの推奨など宣伝を目的としたものではなく、 皆さんと同じく「怪しい」と思い、現役ネットワークエンジニアとしての観点から調査を行った結果の報告です。

 ※批判・インストールの推奨どちらを目的とした記事ではありません。 一利用者として感じたことを記載しておりますので、ご参考になればと思います。

Pi Network (パイネットワーク) とは

スタンフォード大学の卒業生チームが制作したという「Pi Network」はスマホのアプリで、仮想通貨「π(パイ)」のマイニングができるサービスです。

利用者は2022年2月時点で2900万人を超えているようで、第2のビットコインと評価しているユーザーもいるみたいです。

マイニングはほかの仮想通貨でも行っている技術で、簡単に解説すると複数の他人で送信データの確認を行い合って、通信が成り立つので管理者がおらず、セキュリティが強い「ブロックチェーン技術」を成立させるために必要な行為です。

ビットコインの誕生の際にこの「ブロックチェーン」という技術が誕生し、送金するためのデータの信憑性を保証しており、通信内容の盗聴が行えないことから、高いセキュリティが必要としている通信に利用されています。 一方マイニング(複数の他人がデータの中身を確認)には莫大なコストが発生することや、非常に高スペックなコンピュータが必要なことで参入障壁が高いことから、イーサリアムなどの仮想通貨は「ガス代」と呼ばれるマイニングを行う人への報酬が高額なことや、消費電力が世界の電気生産量の0.6%も必要という環境問題もあり、ブロックチェーンを利用したシステムの課題となっています。

この「Pi Network」はアプリより、ワンタップでマイニングを行うことができ、報酬として「π」という仮想通貨がもらえるようです。

「π」は現在(2022年2月時点)は上場しておらず無価値ですが、ワンタップでもらえるこの無料の仮想通貨が、もし上場することがあれば値段がつくので儲かる。という話で話題になっている反面「怪しい」「上場する訳がない」などという意見もあります。「Pi Network公式サイト」

Pi Network は怪しい?

アプリを起動しタップするだけでマイニングが可能で、無料で将来値段が付くかもしれない仮想通貨がもらえる。

ここだけ見ると魅力的ですがインストール前、個人的に「怪しい」と思ったことも何点かあり、調査を行ってみました。

ちなみにアプリの利用開始の際に、口座やクレジットカードの登録など金銭が関係する個人情報を登録する必要はないですが、電話番号の登録は必要のようです。

下記に私が怪しいと思った点と調査結果を記載していきます。

【怪しい所1】招待コードを至る所で目にする

よくスマホアプリやソーシャルゲームなどでも、よくある招待コード。

既にサービスを利用しているユーザーが招待コードを発行でき、まだ利用していないユーザーにおすすめし、そのユーザがアプリ開始時に招待コードを入力するとお互いに何かしら利益がある、という大手サービスなどでもよくあるこのシステムです。

このような招待コードが「Pi Network」にもあるようで、いろんな掲示板やTwitter、YouTubeのコメント欄などで見かけます。

私のように「Pi Network」を題材にブログを投稿している他の方の記事をみても、ソース不明な情報から「Pi Networkは安全です」と明言し自身の招待コードを載せて、記事の閲覧者に入力してもらおうとしているサイトも多いです。

だから何が怪しいか、とは結論付けれないですが、私個人の偏見でこのように招待コードが至る所に貼られているようなサービスに、良い印象が持てないという感想をもってしまいます。

何故招待コードを貼る人が多いか調べたところ、招待コードを入力されると「Pi Network」の仮想通貨(π)がボーナスとして貰えるのに加え、マイニングのスピードが上がるという利点があるようです。

口座やクレジットカードの登録が不要でサービスを始めるハードルが低く、もしかするとお金になるという点と、招待コードを至る所に貼る。という事象を合わせると、これも私の偏見ですが中高生などの未成年のユーザーが多いのでは?と思いました。

【怪しい所2】情報が少ない -開発者の情報の信憑性-

Pi Networkに関して確かな情報が少なく、信憑性のある情報が入手しづらいです。

公式サイト「https://minepi.com/」を確認したところPi Networkは、スタンフォード大学の卒業生チームが制作し「Dr. Nicolas Kokkalis」と「Dr.Chengdiao Fan」という人物がコアメンバーと記載されています。

「海外で話題の」や「有名企業・大学の元関係者」などの謳い文句は、詐欺や怪しい投資などでもよく使われるので、信憑性を確認する必要があると思い調査しました。更に「世界で利用者〇万人越え」という宣伝文句も、業者やツールで利用者を製造し、実際に利用している人数は少ないというパターンも考えられるためこちらも調査を行ってみました。

Pi Network 公式SNS

まずTwitterを確認してみました。「Pi Network」の公式Twitterにはフォロワーが100万人いることを確認。

投稿の内容はアプリのアップデート内容やアプリの説明、宣伝のみ。内容から見ても偽物ではなさそうで、実際に海外の一般ユーザ(業者ではない)からのフォロワーは多いようです。

公式アカウントがフォローしているユーザは開発者の一員である「Dr. Nicolas Kokkalis」のみです。(上記の内容は2022年2月時点のものです) 中でも下記のようなツイートがありました。

Important: Pi Network is NOT running an ICO or any type of crowdfunding sales. Any party impersonating Pi Network or its founders to conduct a sale or listing is illegal, unauthorized and fake, and has no affiliation with us. Pioneers should beware of scams and not participate.

日本語訳➡「重要:Pi Networkは、ICOやクラウドファンディングの販売を行っていません。 Pi Networkまたはその創設者になりすまして販売または上場を行う当事者は、違法、無許可、偽物であり、当社とは一切関係がありません。パイオニアは詐欺に注意し、参加しないでください。」

引用元 https://twitter.com/PiCoreTeam/status/1476667355778334732

Pi is mined freely by contributing to the ecosystem.All mined Pi can only be claimed from inside Pi’s App. Any website asking you to claimPi in other means is fake. Pi runs on its own blockchain (enclosed period), so sales or liquidity pools on different chains are scams.

日本語訳➡「Piは、生態系に貢献することで自由に採掘されます。マイニングされたすべてのPiは、Piのアプリ内からのみ請求できます。他の方法でPiを要求するWebサイトは偽物です。 Piは独自のブロックチェーン(閉鎖期間)で実行されるため、異なるチェーンの販売または流動性プールは詐欺です。」

引用元 https://twitter.com/PiCoreTeam/status/1476667357049208834

このように公式が「Pi Network」を名乗ったICO、クラウドファンディングは詐欺であり、アプリ内以外での「π」の要求を行うサイトは詐欺である。と注意喚起を行っています。

このような注意喚起を行っている理由として、既に詐欺師による「Pi Network」を装った詐欺的行為が行われており、それの対策と考えることもできます。

「Pi Network」の仕組みやサービスをしっかりと認知していないユーザをターゲットととした詐欺行為が報告されているということですので、アプリの利用を開始される方は公式の「信憑性のある情報」を取得し、根拠のない情報に注意するようにしましょう。

Pi Network 開発者のSNS

この「Pi Network公式Twitter」に唯一フォローされている「@nkokkalis」というユーザが、開発者の一員である「Dr. Nicolas Kokkalis」の公式Twitterとみて間違いないかと思います。

フォロワーは約30万人(2022年2月時点)で「こちらのツイート」で公式であることを公言しており、他の自分を名乗るアカウントは全て偽物と発言しています。Dr. Nicolas Kokkalisは偽アカウントが非常に多いので注意しましょう。

また、Pi Network公式のフォロワーが彼一人ということから、もう一人のコアメンバーである「Dr.Chengdiao Fan」はTwitterをやっていないと考えるのが妥当でしょうか。

Pi Network公式Facebook」への投稿も、Twitterと同じような内容でアプリについての情報が投稿されています。

公式YouTubeチャネル」には開発チームがPi Netwrokについて語っている内容の動画が確認できるので、スタンフォード大学卒業生チームが開発を行ったという点に偽りはなさそうです。

【怪しい所3】本当に利用者が多いのか不明

Pi Networkの利用者は2022年2月時点で2900万人と公式SNSでも言われており、世界180ヵ国で利用されているみたいです。

日本ではまだまだ認知度が低いが故に「怪しい」と思われてしまってますが、実際のところ本当に世界180か国2900万人のユーザがいるのでしょうか。

Pi Netwrokに関する日本語の記事やSNSの投稿も少なく、日本では利用者が少ないと考えられます。

スタンフォード大学の卒業生チームということで、本拠地はアメリカで、現地では流行しているのでしょうか。

上場を目指しているのであれば、1つや2つの国だけでは流行しているという状況では、仮想通貨の意味が薄くなってしまうので、世界中にユーザがいれば信憑性は少し高まるかと思います。

サーバはアメリカにある -確認-

インターネットの国境というのは曖昧で、例え自国では違法なサイトでもサーバを別の国に設置することで、自国の法律では取り締まれないというケースがあります。

よくスウェーデンやノルウェーなどにサーバだけ設置するというサイトがあり、そういったサイトはグレーなことを行っている可能性があるので少し気を付けたほうが良いかと思います。(私の偏見です)

念のため、Pi Networkのサーバの場所を調べてみました。 「Pi Network公式サイト」のグローバルIPを見てみます。

IPアドレスは[167.99.175.116]ということがわかります。

次にこのアドレスを「IPアドレスの割り当て国検索」にで検索してみます。

「国名:アメリカ」と表示されたので。サーバはアメリカに設置しているということです。

次に公式サイトのリンクを「WHOIS検索」に入れてみます。

このドメインの登録者情報が確認できます。

上から6行目の「Creation Date: 2018-12-03」と書いているドメイン作成年月日ですが、スマホアプリのリリース日と比較すると

同時期であることからドメインとアプリの関連も、間違いないことがわかりました。

どこの国の利用者が多い?

実際の利用者はどの国の人が多いのか、調査してみました。
similarweb」といサイトで、アクセス数の多い国をランキングで表示することができます。

このように閲覧数などの情報が確認できます。

さらにこのサイトへのアクセス元のグローバルIPから、どの国へのアクセスが多いか上位5つの確認が可能です。
 ※「すべての国を見る」は有料版でないと見れないので日本の割合は見れませんでした、、、

1位はもちろん本拠地の米国ですね。サイトやSNSの言語も英語なので不思議ではありません。
490万閲覧の内11.6%(約57万人)は米国からのアクセスになります。
次に多いインドは単純に人口が多いからですかね?(適当ですみません)

とりあえず、1つの国が大半を占めていないことなどで、世界中に利用者がいるというのは本当みたいです。

さらにこのサイトへのアクセス元のグローバルIPから、どの国へのアクセスが多いか上位5つの確認が可能です。 ※「すべての国を見る」は有料版でのみ使用可能でした

1位はもちろん本拠地の米国です。サイトやSNSの言語も英語なので不思議ではありません。

490万閲覧の内11.6%(約57万人)は米国からのアクセスになります。 次に多いインドは単純に人口が多いからと仮定、ひとまず1つの国が大半を占めていないことなどで、世界中に利用者がいるというのは本当みたいです。

【怪しい所4】アプリのレビューが異常に高い

下記の画像はGooglePlayStoreのアプリのレビューですが、評価がかなり高いです。 評価が高いのは良いことですが、ここまで高すぎるとサクラなど業者の利用を疑ってしまい、少し怪しいという感想を持つ人も多いかと思います。

私のスマートフォンで表示した実際の画面ですが、45万件のレビューがあり平均4.7/5と非常に高評価のアプリとなっています。

低評価の方は、「アプリが開かない」などのシステム面での不具合を挙げているユーザが殆どでした。

高評価を行うと「π」がもらえる仕組みなどがあれば納得ですが、調べてもそのような情報は出てきませんでした。

しかし高評価(★5)のレビューを見てみると、自分の招待コードを貼り、アプリを始めようとしているユーザに入力してもらおうとしている方が大半という状態でした。

ですのでGooglePlayStoreでこのアプリが高評価という点は、正当な評価ではないと考えるのが妥当かと思います。

また、アプリ内でのユーザ同士のチャット機能があるようで、そのチャット機能を利用した詐欺的行為(現金の要求)などを行われた被害のレビューも何件か確認できました。アプリを利用した悪質なユーザによる詐欺行為が存在する可能性があるということです

公式Twitterで注意喚起されていた通り、「Pi Network」を名乗ったICO、クラウドファンディングは詐欺であり、アプリ内以外での「π」の要求を行うサイトは詐欺である。とのことですので利用する場合は十分に注意しましょう。

【検証】アプリを実際にインストール -Pi Networkの始め方-

検証として実際にアプリをのインストールを行い、利用してみたいと思います。

アカウントを作成画面です。

電話番号以外では、facebookのアカウントでも登録可能なようです。 私は電話番号を登録してしまいました。

そして次にはこんな画面が、

「招待コードの入力は必須です。」!?

勘違いをしていました。

招待コードを入力すると、ユーザに利益があるのはもちろんですが、「招待コードがないとアプリを開始できない」という仕様のようです。つまり、アプリを開始する人は必ず招待コードを入れるので、至る所で自分のコードを貼っている人がいるというわけです。

入力してもらえる確率はかなり高いということです。

必ず今アプリを始めたい!という人は逆にありがたい、ということになっているみたいです。 知恵袋などでも、招待コードをくださいという人を、何件か見たので必要としている人はいるみたいです。

仕方がないので、その辺のレビューに貼ってあった招待コードを入力し、登録しました。

登録が完了し、上記がマイニング可能な画面のチュートリアルです。

矢印場所をタップすると、マイニングが開始され、24時間後にまたタップできるようになるみたいです。

現在のランク的なものは「パイオニア」で、あと3回マイニングを行いと「コントリビューター」になり、自分の招待コードを他人に入力してもらうと「アンバサダー」となりマイニング効率が向上する仕組みのようです。

タップするだけであとは本当に何もすることがなさそうです。

チャットルームを利用するユーザがは、使い方や仕様がわからず質問に利用している方が殆どでした。 私はしばらく思い出したときにマイニングする程度で利用してみたいと思います。

上場の可能性はあるのか

無料で取得可能で、現在は無価値の仮想通貨「π」ですが、上場する可能性はあるのでしょうか。

もし上場し値段がつくことがあれば、上場前からアプリを利用ししているユーザは利益が出ることになります。

HotCoinという海外の取引所が2021年11月3日にTwitterで 「Pi」の入出金を近々開始する。というツイートを投稿していました。 [HotCoinのツイート]

しかしこのツイートに対し、Pi Networkの公式は上場を否定しているようで 別の「Pi」と呼ばれる「ホワイトペーパー」もしくは「ブロックエクスプローラー」という仮想通貨の話だったそうです。

他のサイトなどで、「〇年の〇月頃に上場するという噂です」という記載がありますがどれもソースがなく、噂程度の発言と考えられます。

つまりいつ上場するか、上場の可能性があるか、はわからないことなので、デマや噂に騙されないよう注意しましょう。

上場する場合は、間違いなく公式が発表するはずなので、気になる方は公式サイトやSNSを確認するとよいかと思います。

【追記1】10日間程利用してみた感想

この記事を公開したのは2022年2月10日で、この追記は2月20日に記載しています。

10日程毎日Pi Networkでマイニングを行い、30πを手に入れました。

特にスマホにおかしなバックグラウンドアプリもなく、登録した電話番号に電話やメッセージがくるようなこともなかったため、アプリのダウンロード、電話番号登録に関して問題はないかと思います。

無料でマイニングが可能というPi Networkを、私が知った時から抱いていた疑問、 運用資金はやはり広告の掲載による収益で賄っているということもわかりました。

このアプリの目的ともいえるマイニングを行おうとすると、広告の動画が流れ30秒見ないとマイニングが行えません。

また、PiNetworkを運営している会社は他にもブラウザなどの提供も行っているようで、そちらに関する広告の表示も確認できました。 この無料で簡単にマイニングができるというアプリは、「上場すれば儲かる」という集客効果を利用した広告ビジネスなのか、本当に上場を目標としているのか、まだ分からないところです。

どちらにしても現時点での利用者2900万人がマイニングする度に広告を視聴するのですから、 このPi NetWorkは上場しなくても、も収益を得るという面ではもう成功しているサービスなのかもしれません。

【追記2】4か月間程利用してみた感想

ここからはこの記事を公開してから約4か月後、6月に記載しています。

毎日欠かさずマイニングを行っていたわけではありませんが、160π程まで貯まってきました。

当然特にスマホに変な挙動や連絡、不審なバックグラウンドアプリもありません。

未だに仮想通貨π(パイ)の上場の話題はなく、調べても相変わらずPi Networkについての情報はあまりないようにみえます。

そしてある日下記のような画面が表示されました。

PiのKYC手続きの対象の画面が表示(申請書の提出) 2022年6月

ある日Pi Neteorkのアプリを起動すると下記のような画面が表示されました。

「KYC手続きの対象になりました。」一部のPioneerが早期にPiのKYCアプリにアクセスできるようになり、あなたはKYC(ID認証)の適応対象として選ばれました。

Pi Networkが開発しているPi Browser(パイブラウザ)というブラウザアプリより、[kyc.pi]にアクセスして申請書の提出を促しています。 いわゆる本人確認のようなもののようです。

当然、上場しπに価値がつく(予定)のであれば本人確認や個人情報の入力は、いずれ行わないとおかしいと思いますので、これが上場への準備なのか、個人情報を取得しようとしているのか不明ではありますが進めていきます。

Pi Browserをスマホにインストールし、手続きを進めてみました。

Pi BrowserはPi Networkと違い日本語にも対応しているようで、申請に必要な入力項目が日本語でガイドされていました。 入力した項目は名前、住所、身分証名所(免許証)の撮影、実際の顔写真の撮影といった、コインチェックやDMM Bitcoinなどの仮想通貨取引の登録時と同じような工程でした。

身分証明書の番号のようなものを入力する項目があり、合っているか分かりませんが私は免許証の12桁の番号を入力しました。

すべての入力が完了すると「あなたのデータを処理しています」という画面でしばらくロードがされます。※①のロード画面でエラーが何度か発生しましたが、接続していたWi-Fiを切断し4G回線で通信を行うと処理が完了しました。

再度Pi Browserの[kyc.pi]にアクセスすると下記のような審査中の画面が表示され、まだ本人確認が済んでいないことがわかります。

1週間ほど経ちますがまだこの画面なので、申請の進捗にはかなり時間がかかると思われます。