CCNAとはCiscoというネットワーク製品の販売やサービス運用を行う会社が運営している「ベンダー資格」です。
正式名称は「Cisco Certified Network Associate」で、ネットワークに関する基礎知識やCisco製品のコマンドがメインとして出題されます。
CCNAはネットワークの業界では最も初級の資格と言われており、これからネットワークエンジニアになる方、なって間もない方が挑戦することが多い資格です。 しかし初級の資格といいながらネットワークに関する基礎知識、Cisco製品のコマンドラインや特徴を事前に十分に勉強しておかなければ合格は難しい資格です。
CCNA はネットワークエンジニアに必要?
CCNAはネットワークエンジニアに必要な、NW技術の知識基礎の部分を問われる問題が出題されるので、今後Cisco製品を扱わないとしても非常に役立つ資格となります。
ネットワークの勉強を始めると最初に取るべき資格などで名前が挙げられることの多いCCNAですが、その理由をまとめてみました。
ネットワークの基礎部分を主に問われるから -理由1-
CCNAはCiscoという会社が主催のベンダー資格ですが、ネットワークの基礎となる部分の理解を問われる問題が大半です。
暗記問題やCisco独自コマンドを問われる問題もありますが、CCNAを取得するレベルになると、ネットワークの基本的な仕組みや用語を理解しているという証明になります。
ITの入門で挙げられる国家資格「基本情報技術者試験」ではネットワークの範囲もわずかに出題されるIPアドレスのサブネット計算などをはじめ、OSI参照モデル、ルーティング、スイッチング、各プロトコルについて、ネットワークエンジニアとして知っていて常識レベルの問題が出題されますが、CCNAはネットワークに特化した資格となります。
しかしCCNAもネットワーク初心者向けの資格なので、取得しているからといって優秀なSEと判断される材料にはなることは少なく、案件の募集などで、保持資格のフィルターがあるのはCCNPもしくはCCIEレベルが殆どです。
ネットワークエンジニアに転職を考えており、これから勉強を行う方は、基礎は勉強した。という証になる程度といえます。
Ciscoがネットワーク界では有名企業だから -理由2-
Ciscoはネットワーク界では重鎮的存在で、ネットワークエンジニアでは名前を知らない人はいないと言っても良いくらいです。
そんな会社のベンダー資格を持っている、Cisco製品に関して十分な理解があるエンジニアは無下にはされず資格の認知度も高いのです。
就職や案件へのアサインの際に、初めて会う相手に自分がどれくらいネットワークの知識を持っているかを示す指標となります。
ネットワークを構築していく上で機器の設定を行います。 その際Cisco、HPE、NEC、FUJITSU、など数多くのベンダーの中から、その案件ごとに設定する機器が変わり、当然仕様やコマンドも異なります。
どのベンダーの機器も扱えるようなエンジニアが理想といえるので、初めは王道のCiscoのコマンドを理解し、覚えるという順序が効率的で需要があるため、基礎+Cisco製品の知識を認定されるという意味でCCNAの取得は合理的な判断と思います。
他に初心者向けの資格が少ない -理由3-
Cisco以外のベンダー資格も多くありますが、CCNAほど基礎が出題され、かつ認知度が高いネットワークの資格も他には無いかと思います。
他の殆どのベンダー資格は自社製品の仕組みやコマンドについてが多い印象です。
また、国家資格では「ネットワークスペシャリスト」という資格がありますが、これはCCNAより難易度は高く、初心者向けでありません。
実際に現場でエンジニアとして業務に携わり、ネットワークの設計や構築を行ってから受験することをお勧めするような資格です。
他に「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」もありますが、こちらはネットワークに関しては非常に内容が薄く、ネットワーク以外の範囲も出題されるので、少し方向性が異なる資格です。
CCNA 200-301 の難易度・出題範囲
CCNAは2020年2月24日に試験内容が改定され、改定前と比べ出題範囲が広くなりました。 改定前のCCNAは2つの試験に分けての受験が可能で、分けた試験の名称は「ICND1」「ICND2」となっていました。 この2つを別々の日に受験し、合格するとCCNA取得という流れでした。
※分けずに両方の出題範囲を1回で受験という方法もありました。
しかし、改定により「両方の出題範囲を1回で受験」の方法のみとなったのに加え、出題範囲が広くなりました。
ネットワークの世界も日々技術が進んでいるということもあるので、出題範囲が広くなるのは仕方ないことです。
今までは「CCNA Routing & Switching」という項目が出題範囲でしたが、「CCNA Wireless」や「CCNA Security」などの専門技術分野に関する試験が1つになって「CCNA 200-301」となりました。
出題範囲は広くなりましたが、その分出題される内容は薄くなるため、難しくなった、簡単になった、という感覚は人それぞれかと思います。 一般的に言われている勉強期間は半年ほどですが、これも個人の理解度や向き不向きによると思います。
ただCCNAはネットワークの基礎的な範囲ですが、暗記部分や、普段の業務ではあまり使用しない範囲なども人によってはあるかと思いますので「NWエンジニアとして数年働いていればそのうち勉強しなくても取得できる」という資格ではないということです。
普段の業務でコマンドなどは調べたらすぐ出てくるようなものなので、Cisco製品を扱う機会が少ないエンジニアはわざわざ覚えていない方も多いです。
試験範囲は下記の通りです。詳細はCiscoの公式が発表しているのでこちらをご確認ください。
・ネットワーク基礎(各NW機器の役割/機能、IPアドレス全般、ネットワークトポロジの特徴など)
・ネットワークアクセス(VLAN、L2ポート、STP、WLAN、AP/WLCなど)
・IPコネクティビティ(ルーティング基礎、StaticRoute、OSPFなど)
・IPサービス(NAT、DHCP、QoS、TFTP/FTP、SSH SNMP、DNSなど)
・セキュリティ(セキュリティ基礎、サイト間VPNの知識、ACL、L2セキュリティ、無線セキュリティなど)
・自動化とプログラマビリティ(DNA Center、JSON、RSETベースAPI、構成管理ツールなど)
主に試験内容改定前の範囲から変化している点は「セキュリティ」と「自動化」の項目です。
無線ネットワークに関する問題も導入されており、認証方式や暗号化などの無線セキュリティとCiscoのAP(Mobility express)についても出題されるようになります。
CCNA 200-301 の受験料・場所
CCNA200-301の受験料は\36,960円(税込)です。 改定前は\43,560円(税込)だったので6600円安くなりました。
受験日は自分で決定することが可能で、Cisco試験配信の委託先であるピアソンVUEで予約できます。
受験したいテストセンターを選択し、そのテストセンターが開いている日であればいつでも受験可能となりますが、週末や長期連休はテストセンターが混雑するので、希望のテストセンターの状況を確認し、早めの予約をお勧めします。
CCNA200-301の試験時間は120分です。予約の際に140分と表示されるかと思いますが、席に着く時間や注意事項の説明の時間も含まれているため、実際の試験に使える時間は120分となります。
CCNA受験後の合否の結果は試験終了直後に、PC上に表示され判明します。
Cisco CCNA 200-301 の勉強方法を解説!
CCNAの概要、出題範囲、受験方法・料金について上記で説明しました。
ここからは個人的にお勧めの勉強方法を紹介していきます。
ネット学習-WEBサイトで勉強する-
CCNAはIT業界では割と有名な資格のため、受験対策のサイトが数多く存在します。
これからネットワークを勉強しようと思っている方や、ネットワークの知識や実務経験があり、CCNA取得に向けての学習を行いたい方。と様々かと思います。それぞれのレベルにあった勉強方法を解説していきます。
【基本的なネットワーク用語解説】「3分間ネットワーキング」(無料)
こちらは初心者向けのネットワークに関する用語や、仕組みを解説しているwebサイトです。
問題回答形式ではないため試験勉強とは言いにくいですが、まだネットワークの学習を開始して間もない方向けの、用語の意味の理解や通信やプロトコルの仕組みを理解するのに分かりやすいサイトとなっています。
【Cisco機器構築コマンド、機器仕様解説】「@Network」(無料)
個人の方が運用されているというこの「@Network」というサイト。
実際のルータの写真やコマンドが記載されており、文面だけだど理解しにくい内容が分かりやすく記載されています。
Ciscoのコマンドや仕組みに関する内容が豊富なため、CCNAの資格取得以外でも実際の業務でも役に立つサイトです。
【ネットワーク用語の教科書】「CCNAイージス」(無料)
CCNAに出題される用語、技術の仕組みをコマンド、図を使用し解説した教科書のようなサイトです。
正直このサイトをすべて読み、機器を実際に触って理解を深めれば、CCNAは合格することができると個人的に思っていますが、細かい基本的な用語の説明は少な目なので、わからない用語は調べるor「3分間ネットワーキング」で内容を理解する。といった形が理想です。
【新CCNA出題範囲に対応した問題集】「ping -t」(1部有料)
CCNAの出題範囲を網羅した問題集です。
CCNA取得者の約8割は、このサイトで問題を解く練習を行っています。
本物の試験とほぼ同じような、問題の内容、出題の仕方です。項目ごとに問題を解くパターンと、一気に本番の試験のように時間を計ってランダムに出題されるパターンの両方が可能で、模擬試験で90点取れればCCNA合格レベルといわれています。
ping-tの利用にはアカウントの作成が必要で、基本無料ですが、全部の問題を解くには有料版への登録が必要となっています。
ネットワークの基礎やスイッチング、ルーティングなどの項目は無料で利用可能なため、問題を解いてみてすべての問題集を利用したいと思った際に、有料版に登録するのが良いかと思います。
【講師から授業を受ける】「ウズウズカレッジ」(有料)
CCNAに合格したいけど本やネットで勉強しても理解ができない、何度も落ちてしまって試験対策の方法がわからない。そんな方は高い受験料を無駄に払ってしまうより、有料のスクールを利用して一発で合格を目指しましょう。
この「ウズウズカレッジ」は専任講師が付き1on1での指導、自主的な勉強方法の手助けを行ってくれる、インフラエンジニアを目指す未経験者を対象とした就職サポート付きITスクールです。20代の就職サポート実績は18,000人以上と結果を出しており、ITスクール業界では最安値の授業料なので、お手頃に自分のペースでITスキルを身につけられることも可能です。
無料カウンセリングも行っているようなので気になる方は一度、相談してみてはいかがでしょうか。
CCNA対策の資格本で勉強する
CCNAに関する勉強方法は他にもあり、webサイト同じくらい本での学習で資格取得される方も多いです。
本も多くの種類が販売されており、初級者向けから、教科書のような本、問題集とありますので紹介します。
【初級者向け】「1週間でCCNAの基礎が学べる本」
CCNAを取得したいと思っている「ネットワーク未経験」の方向けの本となっています。
ネットワークとはなにか、通信はどのように行われているのか、といった基礎から丁寧に解説されています。
もちろん改定後の試験内容に対応しており、セキュリティや無線に関しても易しく解説されています。
【教科書】「シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト」
こちらが資格取得に向けた本格的な教科書です。CCNAに出題される問題に含まれる用語、スイッチング、ルーティングについての解説はもちろん、出題範囲をすべてカバーした、プロトコルの解説も行っています。後述する問題集と合わせて用意し勉強を行うとカバーできない範囲はなく大変捗る資格勉強になるかと思います。
こちらが資格取得に向けた本格的な教科書です。CCNAに出題される問題に含まれる用語、スイッチング、ルーティングについての解説はもちろん、出題範囲をすべてカバーした、プロトコルの解説も行っています。後述する問題集と合わせて用意し勉強を行うとカバーできない範囲はなく大変捗る資格勉強になるかと思います。
【問題集】「徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応」
昔の話ですが、改定前の本で私はこれにお世話になりました。CCNAの問題集といえばこの本です。
この本の問題を全て解き、何週か回し理解を深めていくと、合格レベルに自然と近づいていくような問題集です。
私は上記で紹介した教科書とセットでの利用を推奨しており、教科書で全範囲を理解し、問題集で問題を解く練習をする。という流れが理想的です。
基本的な知識(IPとは?ネットワークとは?レベル)やスイッチング、やルーティングなどはwebサイトや無料の問題集でも十分に公開されていますが、旧試験でいうとICND2の範囲であるスパニングツリーやダイナミックルーティングの範囲に関して、しっかりと試験対策になるほど解説されているサイトがあまりなく(先ほど紹介の[ping-t]では有料範囲)、この本にたどり着きます。
CCNAの合格には時間内に全ての問題を解くというのがカギとなってくるので、問題の意図や問題分のネットワーク構成をより早く解説するのが大切になってきます。
CCNAの合格には時間内に全ての問題を解くというのがカギとなってくるので、問題の意図や問題分のネットワーク構成をより早く理解できることが大切になってきます。理解していることは前提で問題を早く解けるようになることが大切です。 したがって何度も問題集の内容を解き慣れる、ということが重要になってきます。
ネットワーク機器を実際に触る
これは少し費用がかかってしまいますが、CCNAを取得するという面でも、ネットワークエンジニアの業務に触れるという面でも実際に聞きを触り、設定を行いネットワークの構築を行う。という行為はとても大切です。
文面で理解していても実機の捜査になると直面する問題や、実際には理解できていなかったという点が出てきます。
今の時代は「メルカリ」などのフリーマーケットや、中古屋でCiscoのスイッチやルータが安く売っているので。買ってみてコマンドラインの確認、ネットワークの構築を行うのは良い勉強になるに加え、なにより楽しいかと思います。
最初は機器に想定した設定が行うことができ、通信が通るだけでうれしかった記憶があります。
上記左のスイッチは2960という古い型番のL2スイッチなのですが、コマンドラインは最新機種とほぼ同じです。
VLANやIPの設定、リンクアグリゲーションの設定など一通り実務で使うような設定内容は入ります。
古い機種であれば安く手に入るので(定価は数十万します)家で勉強に使う用途であれば何も問題なく動作します。
上記右はルータでPPPoEサーバの設定や動的ルーティング設定の練習などに使えます、ルータはスイッチ比べ高価ですがこちらのほうがネットワークの設定している感はあります。上記2つとも設定にはコンソールケーブが必要です。
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