ネット・WiFiが遅い原因とその解決方法-ネットワークSEが徹底解説

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イントロダクション

インターネットは現代社会においてますます普及しており、私たちはその便利さと利益を享受しています。情報の検索、オンラインでのコミュニケーション、エンターテイメント、オンラインショッピングなど、インターネットは私たちの日常生活や仕事において不可欠な役割を果たしています。

そのため、高速で信頼性の高いインターネット接続はますます重要になっています。

インターネットの速度は、ウェブページや動画の読み込み時間、オンラインゲームやビデオ通話の遅延、大容量のファイルのダウンロードなどの要素に直接関係しています。
ネットが必須の今の時代、ユーザは高速で信頼性のあるインターネット接続を求めており、ネットワークサービスプロバイダやネットワークエンジニアには、ネット速度の向上に取り組む責任があります。

この記事では、ネットが遅い原因とその解決方法について詳しく解説します。ネットワークSE(ネットワークサポートエンジニア)の専門知識を活かし、読者の皆さんが自身のネット速度の問題を理解し、効果的な対策を取ることができるようにサポートします。

ネットが遅い原因の解説

ネットが遅い原因は、さまざまな要素によって引き起こされる場合があります。以下では、ネット速度に影響を及ぼす主な要素について詳しく解説します。

インターネット速度に影響を及ぼす要素の説明

  • ネットワークの混雑と帯域幅の制約

インターネットは膨大な数のユーザーが利用する共有のネットワークです。

特定の時間帯や場所では、多くのユーザーが同時にアクセスすることにより、ネットワークが混雑し、帯域幅が制約されることがあります。※後程詳しく解説します。

  • インフラストラクチャの問題とハードウェアの制約

インターネット接続は、インフラストラクチャとしてのLANケーブル、ルーター、スイッチ、モデムなどのハードウェアに依存しています。

これらの要素に問題があったり、古くなっていたりすると、ネット速度に影響を与える可能性があります。※後程詳しく解説します。

  • ネット速度の計測方法と分析

ネット速度を正確に測定することは重要です。適切な計測方法とツールを使用し、測定結果を分析することによって、ネット速度の問題の原因を特定することができます。

これらは一般的な要素ですが、ネットが遅い原因は個別の状況や環境によって異なる場合があります。詳細な分析とトラブルシューティングが必要となる場合もあります。※後程詳しく解説します。

インターネット速度計測方法(ツール)の紹介

インターネット速度を正確に計測するためには、信頼性の高い計測ツールを使用することが重要です。下記にて一般的なインターネット速度計測ツールを3点紹介します。

Speedtest by Ookla

Speedtest by Ooklaは、最も広く利用されているインターネット速度計測ツールの一つです。

Webブラウザ上で実行され、短時間でアップロード速度とダウンロード速度を測定することが可能です。更に、ping応答時間や接続の安定性などの追加情報も提供しています。

Speedtestは、世界中のサーバーとの接続速度を測定し、結果を詳細なグラフや統計データで表示することができます。[Speedtest]

Fast.com

Fast.comは、Netflixが提供するシンプルなインターネット速度計測ツールです。

このツールは、主にダウンロード速度を測定します。計測結果は直感的でわかりやすく表示され、ストリーミングコンテンツの再生に必要な速度を確認するのに便利です。

Fast.comは、ウェブブラウザ上で無料で利用できます。[Fast.com]

Google ファイバーの速度テスト

Googleファイバーの速度テストは、Googleが提供するインターネット速度計測ツールです。

このツールは、インターネット接続の速度を測定し、ダウンロード速度、アップロード速度、ピング(応答時間)を表示します。

Googleファイバーの速度テストは、ウェブブラウザ上で無料で利用できます。[Googleファイバー]

ネット・WiFiが遅い場合の対処方法

ネット速度が遅い場合、以下の対処方法を試してみることで問題の解決ができるかもしれません。

ルーターの再起動

ネットが遅い場合、まず初めにはインターネットに接続しているルーターを再起動してみてください。無線接続を行っている場合はアクセスポイント若しくはWi-Fiルータも再起動します。

再起動を行うことにより、一時的な接続の問題やキャッシュのクリアが行われ、ネット速度が改善される場合があります。ルーターの再起動はコンセントの抜き差しで行え、起動後数分後に使用可能となります。

こちらの方法で解決した場合、根本的な解決をするためにルータの買い替えをおすすめします。

Wi-Fiの問題を確認する

ワイヤレス接続を使用している場合は、Wi-Fiの問題がネット速度に影響を与える可能性があります。以下の点を確認してみてください。

  • Wi-Fiルーターと無線クライアントの距離

アクセスポイントとなっているWi-Fiルーターから遠く離れた距離で無線接続を行うと、Wi-Fi信号の強度が弱まり、ネット速度が低下します。一度Wi-Fiルーターに近づき接続・利用を行い、問題が解決するか確認してください。

  • 電波干渉

近くに他の電子機器や電子レンジ、無線電話などがある場合、Wi-Fi信号に干渉する可能性があります。ルーターとの間に障害物がないか、他の電子機器との距離を確保してください。

また、無線(SSID)で5Ghzを使用している場合「DFS」によって電波干渉が発生する場合があります。一般的に、ご自宅が空港や気象レーダーに近い場合発生することが多いです。

DFSについては詳しくはこちらを確認してください。

  • 接続パスワード保護

Wi-Fiネットワークが他の人によって不正に使用されている場合、不正アクセスが行われている場合、ネット速度が低下する可能性があります。Wi-Fiルーターの設定でSSIDのパスワードをデフォルトで使用している場合や予測可能な簡単なパスワードを設定している場合、認証キーの変更をおすすめします。

また、多くのアクセスポイント機能付きWI-Fiルータは接続しているクライアントを、確認することができるので機器の管理画面より確認を行いましょう。

ネットワークの混雑を避ける

インターネット契約の多くの家庭用プランでは「ベストエフォート」の場合が多く、他の規約者の利用が増加することによって混雑が発生し、速度が低下します。

ネットワークの混雑が自身のネット速度に影響を与えている可能性がある場合、以下の対策を試してみてください。

  • ピーク時間を避ける

特定の時間帯にネットワークが混雑しやすい場合があります。可能な限りピーク時間帯を避けてインターネットを使用することで、より速い接続が可能になります。

インターネットの利用は一般的に18時~24時に集中しています。対して混雑が少ない時間帯は朝方から正午にかけてです。

  • キャッシュやクッキーの削除

ブラウザのキャッシュやクッキーが蓄積されるとネット速度に影響を与える場合があります。

定期的にブラウザのキャッシュやクッキー削除を行ってみてください。

インターネットサービスプロバイダ(ISP)との連絡

ネットが遅い問題が継続する場合、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に連絡して問題を報告することを検討してください。

ISPは回線やネットワークの問題を調査し、適切な対処策やプランを提供してくれます。

速度制限や回線の不具合などの問題がある場合、ISPが対応することでネット速度が改善される可能性があります。

契約プランの見直し

ネインターネットの速度が遅い場合、現在のネット契約プランが適切かどうか確認してみてください。

一部のプロバイダでは、異なる速度や帯域幅のプランを提供しています。現在の使用状況や必要な帯域幅に応じて、契約プランを見直すことでネット速度の向上が期待できます。

先ほども記載しましたが、多くの家庭用プランでは「ベストエフォート」の場合が多く、他の規約者の利用状況によって速度が変化します。こちらも併せて確認しましょう。

ハードウェアの確認

最後に、ネットが遅い問題に関連するハードウェアの問題を確認してみてください

  • ルーター・アクセスポイントの性能

古いルーターなどでは、最大速度が100Mbpsの製品が多く、ネット速度が制限される場合があります。最新のWi-Fi規格(例:Wi-Fi 6)に対応したルーターを使用することで、高速な接続を実現できる可能性があります。

  • ネットワークケーブル

有線接続を使用している場合、ケーブルが損傷しているか正しく接続されているかを確認してください。断線している、若しくは接触の悪いLANケーブルはネット速度に影響を与えます。

LANケーブルの状態が原因と考えられる場合はケーブルの交換が必要です。

PCを有線接続していない場合でも、Wi-FiルータやONUに使用しているLANケーブルの状態も一度確認しましょう。[サンワサプライ:LANケーブルの選び方]

長期的な解決策としてのインターネットサービスプロバイダ(ISP)の見直し

上記の対処法を試しても問題が解決しない場合、若しくはしばらくして再度問題が再発する場合は、長期的な解決策としてインターネットサービスプロバイダ(ISP)を見直すことを検討しましょう。

以下の点に注意して、信頼性の高いISPを選ぶことをおすすめします。

  1. スピードと帯域幅の提供: ISPの速度や帯域幅の提供状況を確認しましょう。速度制限や過負荷の問題がないかを調べることが重要です。
  2. カスタマーサポート: 問題が発生した際に迅速に対応してくれるカスタマーサポートがあるかを確認しましょう。信頼性の高いISPは、技術的な問題に対しても迅速かつ効果的に対応してくれます。
  3. ユーザーレビューや評価: インターネット上のユーザーレビューや評価を参考に、他のユーザーの経験や意見を確認しましょう。信頼性や品質に関する情報を得ることで、適切なISPを選ぶことができます。

有名なISPの中でもおすすめは、無料体験期間があり違約金の発生しない「ZOOT NEXT フレッツ光・フレッツADSL」や、キャッシュバック額の高いNTTフレッツ光などがおすすめです。

また、速度を重視する場合は10Gbps対応のBB.excite光 10Gなどがあります。

まとめとおすすめの対処法

ネットが遅い場合には、以下の対処法を試してみて下さい。

  • ネットワークの問題を確認する

ルーターの再起動やネットワークケーブルの確認など、基本的なトラブルシューティング手順を実施しましょう。

  • インターネット速度を計測する

インターネット速度計測ツールを使用して、現在の速度を計測しましょう。これにより、具体的な問題の把握が可能です。

  • DNSの設定を最適化する

パブリックDNSサーバーの使用やDNSキャッシュのクリア、ローカルDNSキャッシュの構築など、DNSの設定を最適化しましょう。

  • ネットワークの混雑を解消する

QoS(Quality of Service)の設定や帯域幅の制限により、トラフィックの優先順位を管理し、ネットワークの混雑を解消しましょう。

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