スイッチングハブとハブ(リピーターHUB)の違い、ネットワーク通信の仕組み

PC周辺機器解説

スイッチングハブとハブ(リピーターHUB)の違い、ネットワーク通信の仕組み

ネットワークおいて有線LANを収容する下記のようなネットワーク機器を「スイッチングハブ」や「ハブ(HUB)」など様々呼び名がありますが、「スイッチングハブ」「ハブ」の違いは明確にあります。

Amazonなどのショッピングサイトでも家庭用のネットワーク機器を販売していますが、商品の名称などでは「スイッチングハブ」という名前で「ハブ」が販売されてることがあるので、注意が必要です。

本記事では現役ネットワークエンジニアの視点から、ネットワーク機器「スイッチングハブ」「ハブ」の明確な違い・機器の選び方を解説します。[NW記事の一覧はこちら]

スイッチングハブとは?

ネットワークスイッチングハブは「スイッチ」「L2スイッチ」などと呼ばれ、ネットワーク上の有線LANポートを搭載しているデバイスから送信されるトラフィックを転送することによって相互に通信できるようにするデバイスです。

パソコンやプリンター、他のネットワーク機器など、複数のデバイスを接続できる複数のポートがあります。

ネットワーク内の有線デバイスをLANケーブルにて接続し、通信を目的の宛先デバイスに選択的に転送するネットワーク機器でデータ転送を行うにあたり「MACアドレス」を使用します。

スイッチは、ポートに接続されたデバイスのMACアドレスを学習し、MACアドレステーブルを作成します。そのMACアドレスのテーブルを維持して通信を行う(転送先を判断する)ことでネットワーク効率を向上させます。

スイッチと呼ばれる機器は基本「vlan」や「IPアドレス」の設定を行うことが可能な機種が大半で、管理や論理ネットワークの分割に役立つことからデバイス・ユーザの多い企業などで使用されます。

スイッチは、ネットワーク上の有線LANポートを搭載しているデバイスから送信されるトラフィックを転送することによって相互に通信できるようにするデバイスです。コンピューター、サーバー、プリンター、その他のネットワーク デバイスなど、複数のデバイスを接続できる複数のポートがあります

ハブ(リピーターHUB、バカハブ)とは?

一方「ハブ(HUB)」は、「リピーターHUB」「バカHUB」などと呼ばれ、スイッチと見た目も似ており、使用方法も同じようにネットワーク内の複数の有線デバイスを接続することが可能な、ネットワーク機器ですが、スイッチとは通信の転送方法が異なります

MACアドレスに基づいてデータ転送を行うスイッチに対し、ハブは宛先デバイスに関係なく、送信元デバイスが接続されているポート以外の、すべてのポートからデータを送信します。これをブロードキャストと呼び、この転送方法の違いが「スイッチングハブ」と「ハブ」の違いです。

名称がややこしいネットワークハブですが、基本的に「自宅でLANケーブルの収容を行う」目的で「ハブ」の購入を検討している場合は、インテリジェンススイッチのような「IPやVALNなどの設定」や「MACアドレスによる転送」を意識する必要は全くなく、2,000円台で販売している「buffalo」「TP-Link」などの機種から使用するポート数を満たす機器を選定するようにしましょう。

図.スイッチ(L2)とリピーターHUBのデータ転送方法の違い

スイッチングハブとハブ(HUB)の使い分け・選び方

見た目や使用方法も同じ「スイッチ」と「ハブ」ですが、違いとまとめると下記の表のようになります。

スイッチングハブ(L2HUB)ハブ(リピーター、バカHUB)
価格帯10,000円台~(数十万まで有)
[メーカ・ポート数・通信速度により変化]
2,000円台~10,000円台(例外あり)
[メーカ・ポート数・通信速度により変化]
設定の可否基本IPの設定やvlanの設定などが可能設定不可
使用方法設定に伴ったデバイスの接続が必要ケーブルを接続するのみ

ポート数やデータの転送速度に「スイッチ」「ハブ」の違いは関係なく、機種・型番によって異なります。パソコンやルータなどの接続先となるデバイスの対応速度は1Gbpsのものが多いため、基本的には全ポート1Gbpsの機種を選ぶことをおすすめします。

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